校長贅言63 全館避難訓練

[校長贅言]

 

 9月1日は、1923(大正12)年9月1日に起きた関東大震災を教訓にするべく1960年に制定された「防災の日」です。1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災はじめその他数多くの震災が大きな被害をもたらし、今もその災禍の跡を引きずっています。本校でもこれまで、新入生オリエンテーション合宿での避難訓練、年度初めの避難経路確認、そして「防災の日」の全館避難訓練を続けてきました。

 今年度は、新型コロナウイルスの蔓延や猛暑(酷暑?)もあって実施を危ぶむ声もありましたが、震災や火災その他の自然災害から生命を守る方法を学ぶ機会をなくしてはならないという判断から、時間的・空間的余裕をもって実施することにしました。例年だと校舎を出てJR沿いの坂道をお茶の水方面に上って点呼を取り避難完了とするところを、今回は通用口を出て校舎の周囲を回って正面玄関から校舎へ戻る、という短縮ルートにしました。

 9時30分に生徒はHR開始、1年生は東京都から支給された「防災ノート 東京防災」を使って、2・3年生はipadを用いて防災の意義と方法を学びます。10時50分に震度6強の地震が発生・収まった直後に8階理科実験室から出火、という想定で避難が始まりました。折り畳み式ヘルメットを着用し、マスクはしていますが平常時を想定しハンカチやタオルで煙を吸い込まないように注意して無言で階段を下りていきます。皆無とは言えないまでも、前年までより靴紐のほどけ・私語などは少なかったようでした。地震や火災などの直接の被害より、二次災害(階段のでの将棋倒し事故や煙など)の怖さを実感してほしいと感じました(ちなみに関東大震災では焼死、阪神淡路大震災では圧死、東日本大震災では溺死が死因の上位に挙げられています)。

 災害はいつ・どこで・どのような形で遭遇するか予想がつきませんが、生命に直接かかわる重大事であることを常に忘れず、日ごろからその備えをするべきです。

防災ノート。

1年生のHR。

2・3年生はipadで。

机の下にまず避難。

火を消す先生たち(模擬)。

避難開始。

通用口から出て……

JR側に出て……

正面玄関から戻ります。