校長贅言35 惜敗 ~ 第101回 全国高等学校野球選手権大会・東東京大会第2回戦

[校長贅言]

※「夏の高校野球」予選が各地で始まりました。本校も7月8日に出場、試合を応援してきた市川良幸・教頭先生のレポートを掲載します。

 7月8日月曜日、曇天、午前8時30分。絶好の野球日和の中、全国高等学校野球選手権大会・東東京大会第2回戦が行われました。

 東洋高校の相手は岩倉高校。今大会屈指の投手を擁し、下馬評も高いチームです。試合前のノック練習で対戦校の選手層の厚さを目の当たりにし、このチームを相手に、女子マネージャー4名を含めて15名で挑む東洋が、どのくらいの粘りを見せてくれるかと考えながら、試合開始のサイレンを聞きました。しかし、先頭打者の森川君がいきなり2ベースヒット。相手の一方的な試合を予想していたのですが、嬉しいことに、その予想は見事に裏切られました。

 毎回のようにランナーを背負いながらも、投手の羽田君が踏ん張り、バックの守備が羽田君を助け、5回までを無得点で押さえ続けました。東洋は所々で流れを引き寄せながら、3塁までは塁を進めるのですが、「あと一本」が出ず、ついに6回裏、相手に2点を奪われてしまいました。何とか追いつき、追い越したい東洋ですが、相手の先発ピッチャーを引き摺り下ろしたものの、そのあとのエースの速いストレート、鋭いカーブにヒットが出ません。ちなみに相手のエースは147キロのストレートを武器に持ち、この日もプロ球団のスカウトに見られながらの登板でした。

 羽田君は2点を取られた後も乱れることなく、反撃の機会を待ちましたが、その機会は遂に訪れず、0-2で悔しい幕切れとなってしまいました。

 「強いチームを相手に、善戦した」というのが客観的な評価なのかもしれません。しかし球場で見ていた人間としては、もし「あと一本」が出ていたら、という気持ちを拭い切れない「悔しい」試合でした。試合直後の部員たちの涙も、同じような気持ちがあったからなのだと思います。

 この試合を最後に3年生が引退し、東洋高校野球部は、マネージャー2人を含めた7名のチームとなってしまいます。単独チームとして公式戦に出ることは、次年度の部員が入るまで叶いません。しかし、今日の試合を見た人たちの多くが、数字には表れない東洋高校野球部の可能性を信じてくれるのではないかと思います。

 決して冗談ではない「全国制覇」。近い将来、この目標に向かって再出発する野球部を、一ファンとして楽しみにしています。部員の皆さん、感動をありがとうございました。

                                 教頭 市川良幸

部員数の差は歴然です。

5回までは0対0でした。

全員でピンチを乗り切ります。