校長贅言31 第1学年「歌舞伎鑑賞教室」事前学習の発表

[校長贅言]

5月29日(水)

 

 「高大接続」が叫ばれ、ICT教育やアクティブラーニング、英語4技能などといった言葉をよく耳にし、目にするようになりました。そういった中で、主体的な学習が重要、とか、インプットと同様にアウトプットも大事、ということもよく言われるようになりました。すなわち、いくら成績が良くても受け身で先生の言うことを聴いているだけではだめだ、自ら意見を述べる力が今後必要とされるのだ、ということです。たしかにもっともなことですが、生徒が自分の意見を発表する機会はこれまでの一斉授業の形式だと教員から指名されたときぐらいです。

 

 本校の教員の中には、朝のHRの時間に「3分間スピーチ」なる時間を設けて、生徒が決めたテーマで自分の考えを級友の前で話す、という指導をしている先生もいます。また、2年生の学年末には修学旅行がありますが、それまでグループごとに行ってきた事前学習について、ホールで学年全体(本校の修学旅行は希望者ごとに沖縄とオーストラリアに分かれますが、この事前学習発表の際は学年全体です)の前でその成果を発表します。それぞれの歴史や風土、食べ物や人々の暮らしなどについてスクリーンを使って説明するのです。マニアックな発表もあれば、よくここまで調べたなと感心するような内容もありました。

 

 第1学年では6月4日(火)に国立劇場にて歌舞伎鑑賞教室(演目は「神霊矢口渡」)を行いますが、実施に先立って生徒一人ひとりが事前学習を行い、午後のLHRと「探求の時間」を使ってクラスごとに一人ずつ、発表しました。調べるテーマは自由で、持ち時間は1~2分です。

 

 歌舞伎の発祥とその歴史、歌舞伎役者について、「屋号」や舞台について、など定番のテーマから、役者の収入やメイクについてなど他の人が調べないようなテーマを選んだ生徒もいました。

 

 級友とはいえ人前で調べたことを発表することに慣れていないのか、緊張している生徒が多かったようですが、中には笑い声と拍手が絶えない教室もありました。ある担任の先生によると、自由にテーマを選んでもらったので、重複してしまうことがあり、後で発表する生徒がかわいそうだった、ということでした。また、ほとんど文献に当たらずインターネットで情報を引き出しているようだ、とのご指摘もありました。

 

 今後も様々な機会を活用して、調べ方のコツや発表する際のポイントなどを体得していってもらいたいと願っています。

「女形」とは男性にとって理想の女性、と力説。

「屋号」について、文字だけではなくイラストを使ってわかりやすさに重点を置いた発表でした。

「隈取」について、わかりやすい説明でした。

「出雲阿国」がどのような人物か、詳細に調べました。