校長贅言2-1 教員研修会を実施しました。
新年度スタートに向けた準備の慌ただしい4月3日、東京大学 大学総合教育研究センターの副センター長、栗田佳代子先生をお招きし、本校の専任・常勤講師を対象とした研修会を実施しました。職員会議、学年会議、教科会議、部署会議などのさまざまな会議と入学式・始業式の準備など、目の回るような忙しさの中でしたが、部活動で登校する生徒以外はまだ春期休業中ということで、日常の学習指導や生徒指導のないこの日に約50名の教員がワークショップに取り組みました。
講師としてお迎えした栗田先生は高等教育開発を専門に研究されている教育学博士であり、この日は先生の開発されたティーチング・ポートフォリオを少しずつ完成させることによって、教員それぞれが、自らが教師を目指した動機やその時の決意、各自が目指す教師像などを言語化し、その理想に近づく方法を模索するといった3時間を過ごしました。日常の教科指導やホームルーム運営、部活動での指導や各部署での業務などをそれぞれが検証することによって、普段実践している教育・指導がどのような目標を指向するものなのか、それぞれの日常の教育活動が東洋高校の、またそれぞれの教員自身の目指す方向にまっすぐに向かっているものなのかということを再確認しました。
新任からベテランまで世代も教える教科も異なる教員同士がそれぞれの教育活動を語り合うことによって、各々が今後の教育活動に活かすことのできる考え方や情報を共有できたのではないかと思います。
当日研修会に参加した教員の中からは、
「自分の中で漠然と描いていた理念が言語化できて、かつそれに対して自信を持つことができました。「どの立場になって作成しても理念の部分は大きく変わらない」という先生の言葉には納得です。誰かが実践している方法を自分もできるようになりたい(でもうまくいかない)と思い悩むこともありましたが、自分の理念に沿った方法を確立することも意味があると感じました。分析だけならこの時期でなくても、と思いましたが、来週から始まる生徒指導や教科指導につながることがよかったです」といった意見や、
「帰納法で思考してみると、思いつく多くの方法を整理するところから始まって、改めて目標にたどりつくことができた。その目標は、教員になるにあたって心に抱いていたことであることに気づいた。ペアを組んだ先生方は私よりも若く、生徒とのコミュニケーションを重視しながら職務を遂行しようとしていることがうかがい知れて、自分自身でも大切にしてきたことであったと思い至った。あらためて原点に立ち返り、頭の中をリフレッシュする機会とすることができた」などといった感想を聞くことができました。
「教師としてどうありたいか」……。それぞれの教師としての理念、熱い思いを再確認することのできた、2025年度のスタートにふさわしい研修会となりました。