それぞれの国へ

[国際交流]

 1月24日(金)と1月26日(日)、1年生3名がニュージーランド、カナダ、オーストラリアの1年間留学へと、それぞれ出発しました。

 1月24日にニュージーランド・ウェリントン郊外のパラパラウム高校へと向かったのは村田君。一人で国際線からニュージーランドの国内線に乗り継ぎ、翌日の午後にホームステイ先に到着するという高校1年生にとってはハードな旅です。ちなみに村田君がホームステイをするウェリントン郊外は、現在夏の日差しが強いようですが、カラッとしていて気持ちが良い気候だと、現地の先生が教えてくださいました。

 出発当日、成田空港第1ターミナルは多くの人で混雑していました。その多くは春節休暇の前倒しで来日したと思しき中国からの人たちと、日本からターム留学に向かう高校生です。多くの高校生が団体で集合し、賑やかに出発して行くのを尻目に、村田君は一人での出発です。不安などないのだろうかと尋ねてみたところ、村田君は「特に不安なことはない」とのことでした。一人飄々とした様子で保安検査場を抜け、家族に手を振りながら出国審査場に向かって行く姿に逞しさを感じた出発でした。

 また、その二日後には成田空港第1ターミナルから鶴岡さんが、第2ターミナルからは山浦さんが、それぞれカナダのバンクーバー、オーストラリアのロックハンプトンへと出発して行きました。

 ホームステイ留学は金曜日に出発することが多いせいか、日曜日の空港はそれほど混雑をしてはいませんでした。バンクーバー島・ビクトリア市にあるスペクトラム・コミュニティ・スクールへと出発する鶴岡さんは、出発当日空港で「やっと実感がわいてきた」と話してくれました。自然環境に恵まれたバンクーバー島に留学するからこその、「自然の中でできる様々な活動」をしたいという希望を持っているようでした。彼女の留学する高校に、もう一人関西の高校生が留学するということで、同じ便で出発しましたが、その高校生は半年間の留学ということでしたので、残りの半年間、高校内では日本人一人で過ごすことになるようです。

 同じ26日に、2時間遅れでオーストラリア・ロックハンプトンへと出発した山浦さんは、「不安より期待のほうが大きい。ワクワクする」ということを話してくれました。ロックハンプトン・グラマースクールは広い敷地の中にあり、放課後に生徒たちは様々なクラブ活動をしているのですが、山浦さんは「乗馬を体験してみたい」と話していました。ロックハンプトン・グラマースクールには、彼女の他に他校からも一人留学をするようですが、1タームのみの留学だとのことですので、こちらも1年間の多くを日本人一人という環境の中で過ごすことになりそうです。他国・他地域から集まった同年代の仲間たちと過ごす寮での共同生活が、彼女を成長させてくれるに違いありません。

 二人を見送った日の成田空港の気温は9℃。二人が到着する日の最高気温はバンクーバーが5℃、ロックハンプトンは31℃と、それぞれが気候も風土も異なる場所で生活して行くことになります。

 多感な時期を、親元を離れた異国で1年間過ごすということが、どれほど人を成長させるか。それぞれの生徒がそれぞれの国で、それぞれに大変な思いをするはずです。しかし、それぞれが、経験した苦労以上に大きな収穫を手にして帰ってくるはずです。それぞれの生徒の「大きな収穫」の報告を聞く日が、今から楽しみでなりません。