リンカーン大学の出張説明会を実施しました。

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 11月15日(金)の放課後、ニュージーランド・クライストチャーチ郊外にある、国立リンカーン大学(Lincoln University)より講師を招いて、出張説明会が行われました。東洋高校はリンカーン大学と提携を結んでおり、両校の間で締結した文書(MOU)には「東洋高校卒業生への特別な指導とサポートを約束する」と記されています。

 当日は、自らがリンカーン大学の卒業生で、現在は当大学留学の窓口となっているStudy Travel New Zealandの丸山凛太朗さんよりリンカーン大学に関する様々な説明がありました。説明会日時決定通知から実施まで、あまり期間がなかったにもかかわらず、当日は1・2年生12名が集まり、丸山さんの説明に熱心に耳を傾けていました。

 はじめにリンカーン大学のあるクライストチャーチがイギリス文化を色濃く残している街であり、ガーデンシティとも呼ばれている美しい街並みであること、歴史のある街でありながら「ニュージーランドで一番新しい街」と呼ばれているということなどが紹介されました。日本で東日本大震災が起きる少し前の2011年2月、クライストチャーチで大地震が発生し、大聖堂が倒壊するなどの壊滅的な被害がありました。10年以上を経た今も市内の再開発工事が続いており、現在のクライストチャーチが古き良き庭園と再開発途上区域との調和で成り立っているというのが、「新しい街」と言われる所以だということでした。復興工事に10年以上を費やしているのは、大震災という出来事を「なかったこと」のように忘れ去ってしまうのではなく、少しずつ語り継ぎながら後世に残してゆこうという意図があってのことだそうです。

 治安ランキング世界第4位(2023 Global peace index)と治安も良いクライストチャーチの郊外に位置するリンカーン大学は、1878年に創立された、南半球で最も古い農業学校として知られており、世界大学ランキング(QS)総合でトップ371位、小規模大学では世界15位(2025)に位置するそうです。研究レベルが高いうえに、教授に対する生徒の割合がニュージーランドの大学では一番小さく(1:14.5)、80か国以上からの留学生が全校生徒の約4割を占めているという国際色豊かな大学であるとも紹介されました。丸山さんの留学時代の友達も国際色豊かで、現在は世界各国で活躍されているそうです。勉強に集中できる郊外にある広大なキャンパスの中で、面倒見の良い先生方の指導を受けながら過ごすことで、大学の卒業率もニュージーランドの他大学と比べて圧倒的に高いそうです。

 大学の概要に関する説明の後には、大学構内の研究施設や食堂、トレーニングジムや図書館などが写真とともに紹介され、月に一度は開催されるという様々な催し物やパーティーなどの説明もありました。普段は勉強に集中している学生の息抜きとして、そのような施設や催し物が大きな役割を果たしているとのことでした。もちろんどのような施設を利用するか、どのような催し物に参加するかというのはそれぞれの学生の選択に任されているそうです。大学のハード面の後には大学のもつ学部・学科に関する説明と、それぞれの学部の他大学にはない強みなどの説明がありました。リンカーン大学では、座学だけではなく、大半の学部で実習が行われ、机上の知識を実践できる環境があるというのが他大学と大きく異なる点だということでした。この、実習による経験が多くの企業から評価されているために、就職率がニュージーランドの他大学よりも6%も高いそうです。

 学部の説明の後には入学方法に関する説明がありました。東洋高校卒業生は、たとえ英語能力が十分でなくても、英語コースを履修する期間を含めて4年間で大学を卒業できるようです。同級生が日本の大学4年生になった6月にはリンカーン大学を卒業し、日本で就職する場合にはその次の年の3月までを就職活動や旅行など、様々なことに使えるということでした。ちなみに、卒業後はPost study work visaが支給されるために、卒業後も2~3年間ニュージーランドへの滞在が可能になるそうです。

 最後には、留学生の精神面をサポートするアドバイザーの紹介や授業料や生活費などの留学費用に関する説明、留学費用の負担を補うために用意されている様々な奨学金の紹介などがありました。

 全ての説明が終わった後には「学食の料理はおいしいのか」などといった全体での質問もありましたが、個人的な質問に残る生徒もおり、それぞれが真剣に将来を考えていることが窺えました。

 遠くの国での学びを近くに感じることのできる、参加者にとって貴重な体験になったのではないかと思います。