「これからを楽しみながら突き進んでほしい」 ~柳田将洋選手講演会

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 後期到達度評価試験を終えた翌日の9月28日(土)、午後2時30分よりオリエントホールにて、本校OBで男子バレーボール日本代表前キャプテンの柳田将洋選手による三燦会主宰の講演会が開催されました。

 当日は一般生徒、男子バレーボール部部員、三燦会の父母の方々等、約200名の観衆がホールを埋めました。

 生徒会執行部の生徒が司会となって、柳田選手を紹介する短い紹介動画が流れた後、柳田選手が登場し、講演が始まりました。

 

 全日本の代表となりキャプテンを務めたほどの選手でありながら、将来自分がバレーボールを続けて行くかどうか分からなかったという意外な話から、柳田選手は講演を始めました。慶應義塾大学時代は、一般企業に就職するという別の道も視野にあったそうです。2010年に春高バレー(全日本バレーボール高等学校選手権大会)で優勝した後も大学や企業でバレーボール選手として活躍し、傍目には順風満帆のバレーボール人生のように思われますが、柳田選手は「様々な岐路で、その都度考えることがあった」と言います。

 様々な挫折を経験した中には、東京オリンピックのメンバーに選ばれなかったという大きな挫折があったそうです。東京オリンピック出場を視野に入れて海外リーグで3年間プレーをし、実績を積み上げたにもかかわらずその選考から漏れてしまったときには、「海外リーグでの生活が無駄になってしまったのではないか」とも思ったそうです。

 しかし、そのような挫折を経て、「結果が全てではなく、プロセスが大切だ」と考えるようになったそうです。柳田選手は続けて、「挑戦が全て成功するわけではない。が、そこまでどう頑張ったかが、その後、一生ついてくるものだと思う。その繰り返しによって成長することができるのだと思う」と、後輩たちに伝えてくれました。

 また、「様々な経験を通して、人生を豊かにしてもらいたい。失敗したときに軌道修正ができるかできないかで、次が違ってくる。失敗は必ずする。ただ、挑戦しないと失敗もない。どんなことにでも挑戦し、失敗したときの「頑張り方」を覚えるのが、今の時期だと思う」とも語ってくれました。

 最後に「目先の目標だけではなく、長期的に物事を見るようにしてほしい。現在いる場所が将来にどのように繋がって行くのかを考えてほしい」ということを伝えたうえで、「皆さんが今想像している将来というのは、狭い視野・経験の中でのものでしかない。しかし、これからの人生で可能性も広がってくる。皆さんの持つ可能性は無限大なので、これからを楽しみながら突き進んでほしい」と、メッセージを締めくくってくれました。

 講演の後は、生徒会3名の司会による柳田選手への質疑応答が行われました。事前に生徒から応募した質問の中から「モチベーションが上がらないときの対処法は」、あるいは「勉強と部活動との両立をどのようにしたか」といったようなそれぞれが今後の参考にしたい質問から、「オフの日は何をしているのか」、「「ハイキュー!!」の中で好きなキャラクターは」といった質問まで、硬軟織り交ぜたやり取りが笑顔の中で進んで行きました。

 質問コーナーの後は、座談会。バレーボール部で同級生だった小林先生と、日本一になった時にも指導者として接していた赤羽先生が舞台の柳田選手を囲み、当時の写真を見ながら、柳田選手在学中の話が繰り広げられました。小林先生の高校時代の写真が映し出された際には、なぜか会場が大きな笑い声に包まれるなど、この日一番の盛り上がりを見せました。柳田選手と小林先生との楽しい話もある中で、赤羽先生は、「柳田選手と関田選手とは、試合と試合との間も休むことなくひたすら練習をしていた。その様子を周囲の高校生たち、先生方が皆見ていた。柳田選手に「こうしたほうが良い」という指示を出したことはない。普段は目立つことはなかったけれども、試合中のオーラは他を圧倒した」と、当時を振り返っていました。

 「当たり前だと思っていることが通じないという環境に身を置くことは貴重だ」という、海外リーグに身を投じたからこそ得られた視点や、「決断を早くし、早めに動くことによって、その後の時間を考えることに使える」といった全日本キャプテンを務めたことによって得られた視点など、高校卒業以後に得られた気づきも紹介され、最後に、後輩たちに向けて、「ぜひ、機会を見つけて早い時期に異文化を経験してほしい。大きな発見があると思う」と、締めくくってくれました。

 盛り上がった座談会の後は、柳田選手のサイン色紙を賭けたじゃんけん大会。サインを手に入れた5名の生徒が柳田選手と握手をし、その隣に立つと、会場は女子生徒の黄色い声援で一杯になりました。

 講演会の最後には柳田選手を囲んで、会場の東洋生との記念撮影もありました。

 

 リラックスした中にも後輩たちへの示唆に富んだ、とても有意義な講演会となりました。

 東洋高校関係者一同、柳田選手の、今後のますますの活躍をお祈りしています。