なぜ留学経験は必要なのか ~マーシャル大学教授による講演会を実施しました

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 6月13日の放課後、アメリカから来日したマーシャル大学(Marshall University)経営学部学部長のDon Capener博士による講演会が実施されました。ケイプナー博士は、ハーバードやスタンフォードなど、世界中のトップビジネススクールに教育評価の国際認証を与えるAACSBという機関の審査員であり、世界中の大学を指導する立場にあります。その会議や早稲田大学・同志社大学との会議など、複数の会議に出席するために来日し、その忙しいスケジュールの合間を縫って東洋高校の生徒のために話をしてくださいました。

 当日はオリエントホールに、留学や海外企業に興味関心のある50名ほどの生徒が集まり、留学を経験することでどのような力が得られるのかといった話を中心とした、様々な話に耳を傾けていました。

 まずは博士がこれまで歴任した大学で、実際に触れあってきた留学生の紹介がありました。その中に、博士がフロリダ州のジャクソンビル大学(Jacksonville)に在任していた当時、東洋高校から博士を頼って留学した生徒の話がありました。実は彼女も、今回と同様、東洋高校で実施されたケイプナー博士の講演を聴いたことがきっかけとなり、博士のもとで勉強したいと考え、留学し、アメリカで就職するという夢を実現させたのだということを紹介してくださいました。

 以前勤めていた大学での留学生の様子を紹介した後は、現在勤務する大学の紹介がありました。マーシャル大学は、研究機関として優れているだけではなく様々なスポーツの強豪校でもあるそうです。特に全米有数の強豪チームとして市民から深く愛されていたアメリカンフットボール部がありますが、かつて遠征先からの帰りに選手・コーチの乗った飛行機が墜落し、75名が死亡するという悲劇に見舞われました。その事故と、そこからの復活を描いた映画『マーシャルの奇跡』の一部を流しながらの説明もありました。マーシャル大学には、留学生への支援プログラムが充実している点や授業料が手ごろであるという点、安全で居心地の良いコミュニティがあるという点や強力な同窓生ネットワークがあるという点など、様々な魅力があるようです。マーシャル大学に限らず、アメリカの多くの大学ではインターンシッププログラムが充実しており、様々な業界のトップリーダーとのネットワーキングの機会があるということや、留学がより良い仕事の選択や、より高い給与所得につながる可能性を持っているということなど、留学によってもたらされる優位性についての説明もありました。

 また、様々な文化や異なる視点を学び、そこで出会った友人とビジネス上の世界的なネットワークを構築することができるという点、言語だけでなくコミュニケーションスキルを向上させることができるという点など、これまで多くの留学生と関わってきたケイプナー博士の、留学生が身につけることのできる強みに関する実感を伴った言及もありました。

 講演終了後には多くの生徒が相談や質問に並び、ケイプナー博士はそれぞれの生徒に丁寧に対応してくださいました。「英語ができるようになるにはどうしたらよいか」というような質問に対しては、「もちろん、基礎的な勉強はしっかりやらなければならないが、大切なのは、間違えてもいいから、とにかく英語を使うことです。私も日本語を話すときによく間違えるけれども、間違いを恐れて話をしなければ、決して上達はしません。間違いを恐れないことと、できるだけコミュニケーションをとろうと心がけることが大切です」と答えていました。

 この講演が、参加した生徒それぞれが将来について考えることのできる時間になったことを願うばかりです。