ニューサウスウェールズ大学によるワークショップを実施しました

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台風1号が関東地方に接近した5月31日の放課後、オーストラリアから来日したニューサウスウェールズ大学(UNSW)多国籍教育部長のBrad Hall氏による、希望者を対象としたワークショップが開催されました。

 当日、教室に集まった1・2年生は、すべて英語での説明と、挨拶代わりの「頭の体操」とに最初は戸惑っていたものの、少しずつ耳が慣れてきたのか最後には笑顔で答えられるようになっていました。「頭の体操」で考え方の訓練をした後は、4人が一組となりストローと紙テープを使って橋を作る作業(Straw Bridge Challenge)に取りかかりました。各チームが同じ幅に机と机との間を開け、その間に、同じ材料を用いていかに美しく、荷重に耐えられる橋を制限時間内で架けることができるかを競いました。

 初対面だった生徒同士も、どのようにして美しく強い橋を作るかという共通課題について意見を出し合い作業を進めて行くうちに、それぞれが打ち解けられたようでした。

 Brad氏から受けた説明の中には、UNSWが参戦しているソーラーカーレースの例がありました。「レースに参加し勝つためには工学、化学、ソフトウエア、コンピューター、デザイン、スポンサーマネジメント、ビジネス契約など、様々な分野の学問を学んだ学生がチームを作り、それぞれの知恵を出し合う必要があります。今日の、ストローブリッジを作るワークショップも同じです。この共同作業を通して人には様々な考え方があるということを学び、チームワークスキルを身につけてください」。これはまさに、これからのグローバル社会を生きて行くうえで必要なスキルそのものです。

 制限時間内でそれぞれが知恵を出し合った橋が完成すると、まずは橋の構造と、デザインの美しさがUNSW4名のスタッフによって審査されました。その後、いよいよ錘(おもり)を載せて強度を測ります。デザインが良くても、荷重に耐えられない橋は、実用には向きません。測定の結果、強度に優れていたのは男子生徒の一チームでした。

 このワークショップの優れた点は、各班の順位が決まったあともさらに改善点を話し合わせ、実際に改良させ、強度を測り直したことにあると思います。

 意見を出し合い、材料を集め、デザインを考え、実際に作ってみて、強度を確かめる。そしてさらに改良を加えるために、この試行錯誤を繰り返す。これは実社会でのモノづくりと全く同じ工程です。優勝したチームの男子4名には、賞品としてUNSWの大きなロゴが入った折りたたみ傘がプレゼントされ、それぞれが喜んでくれたようでした。

 終了後の参加者の感想には、「仲間と協力する力や考える力を少しでも身につけることができたと思います」、「実際にやってみたからこそ分かったことがたくさんあった」、「今まで気づかなかった新しい考え方を知ることができる」、「いろいろな観点から物事を考えなければいけないことを学びました」、「グループ全員の意見を聞いて全員が動くことが良い案を作り上げる秘訣なのだと思いました」などの言葉がありました。このワークショップが参加者それぞれにとって良い経験になった様子が窺えました。

 今後も、できるだけ多くこのような機会を提供して行きたいと思います。