昨（2022）年の夏、一人でアイルランド・Midleton Collegeへ１年間留学に出発した２年生（現在）の羽田さんが、６月５日（月）の夜に、無事帰国しました。 　彼女が出国した昨年８月は、日本を訪れる観光目的の旅行客の入国もほとんどなく、９月に入ってようやく日本の「水際対策」が少しずつ緩和されたという時期でした。今回の帰国に際しては、到着ロビーを見回してもマスクを着用している人は少数、もちろん他の入国者と同じように羽田さんもマスクなしで現れました。 　帰国した週の土曜日、彼女は校長室で「世界は思っていたよりも広い」と笑顔で実感を語ってくれました 　「英語を話せるようになりたい」、「他国の多くの人たちと友だちになりたい」という希望を抱いて日本を出発した彼女でしたが、高校での座学での授業に関しては、完全に英語を理解するのに数か月かかったそうです。授業について行くために、早起きをして英語の勉強をするなど、最初の頃は本当につらかったそうです。しかし、努力の甲斐あって、現地の先生からは「人格の面でも能力の面でも、素晴らしい生徒だ」というお褒めの言葉をいただけるようになりました。 　日本の高校との違いを尋ねると、勉強に関しては、ディスカッションや実験、アクティビティが多く、ノートに書く作業よりも能動的な授業が多かったようです。歴史の授業は耳慣れない言葉が多く、難しかったようですが、逆に多くの内容が数字と記号で示される数学は、一番できる科目になったということでした。300年以上の歴史を誇る伝統校であるMidleton Collegeは「一人ひとりの個性を伸ばしてくれる学校」だったため、先生方にも助けられ、最初はつらかった学校生活も、最後には心からその生活を楽しみ、「やりたいと思っていたことは全てできた」といえるほど充実したものになったようです。 　留学経験を経て気づいたこと、考えたことについて尋ねると、「日本では学べないようなことがたくさんあり、自分が思っている以上のことを経験できた」、「明確な目標をもっていなくても、場所を変えただけで学ぶことはたくさんあり、10代でこの留学経験ができたことは本当に貴重だった」ということでした。学校には30人ほどの他国からの留学生もいたそうで、ドイツからの留学生とは、お互いに今後の再会を約束し合えるほどの仲になったようです。人間関係を含めて、全てをゼロから自分自身で作らなければならなかったという経験を経て、「自律」を実感できたとも伝えてくれました。今後の夢について尋ねると、「国を超えて誰かと繫がるような仕事がしたい」ということと、「海外の大学へ進学したい」ということを語ってくれました。 ようやく、渡航のための様々な制約が取り払われた日本。これからも多くの生徒たちが、世界の様々な場所で思い、悩み、そして行動し、逞しくなって帰って来てくれることを楽しみにしています。