東洋高等学校吹奏楽部第17回定期演奏会のご報告

[吹奏楽部]

 令和3年4月1日に、灯(ともしび)の代の最後の舞台である第17回定期演奏会を、ティアラこうとうにて行いました。

 新型コロナウイルス感染拡大により思うような活動ができない状況においても、優しい灯をともせるようなサウンドを届けたいという思いから、「灯」の代と名付け活動をしてきました。しかし、東京都吹奏楽コンクールの中止、サマーコンサートの中止、ウィンターコンサートの中止と多くの舞台が無くなり、涙を流した回数も数えきれません。そんな灯の代の最後の舞台がこの第17回定期演奏会でした。合唱の禁止や練習回数の減少など例年通りとはならないことも多くありましたが、久しぶりの舞台に向けて、一丸となって練習を重ねました。

 当日は500名を超えるお客様にお越しいただきました。お客様の前で演奏できることの喜びを再認識すると共に、この1年間の悔しさを全てぶつけ、エネルギーあふれる公演となりました。ご来場いただいたお客様本当にありがとうございました。

 次の代は「炎舞」と名付けました。燃えるようなダイナミックな演奏をしたい、「灯」をさらに大きくしたい、という思いが込められています。灯の代の悔しさを胸に、より大きな炎を燃やして今年度も活動していきます。今後とも応援よろしくお願い致します。

当日配布したパンフレットより一部抜粋

 

燃え続けてくれた68の希望の灯り

顧問・指揮者  稲福 祥

 本日は、東洋高等学校吹奏楽部第17回定期演奏会にご来場いただき、誠にありがとうございます。日頃より吹奏楽部の活動にご理解とご支援をくださっている保護者の皆様、学校関係者の皆様、OB・OGの皆様、そして本日お越しいただいた全てのお客様にこの場をお借りして御礼申し上げます。

 定期演奏会の開催が正式に決定してから部活動指導を行う中で、コロナウイルスによって失われた時間の大きさを日々痛感しています。

 2020年の3月から7月末までと、12月末から2021年の3月8日までは活動ができませんでした。本校吹奏楽部がお客様をお招きして演奏会を行うのは、2019年の12月に行ったウィンターコンサート以来のことであり、成功体験も失敗体験もすることができず、ただやるせない思いだけを募らせてきた中でこの定期演奏会という大変大きな演奏会を行うことは、灯の代にとって、「挑戦」でしかありません。

 指導をするにあたって、様々な言葉を伝える度に「それは無茶だよな」という思いと「チーム作りと音楽作りに対して妥協したくない気持ち」が私の中で交錯し、生徒たちを苦しめてしまっているのではないか……と自身の指導力の未熟さを感じる日々でもありました。

 しかし、生徒たちは心を燃やし続けてくれました。本番が近づけば近づくほど熱量が増し、主体性が生まれました。多くの気付きを仲間に伝え、応えようとする姿が増えました。一部の生徒間だけで行われていたやり取りが、先輩から後輩、同期同士、チーム全体として見られるようになりました。どんなパートを作りたいのか、どんなチーム作りをしたいのか、どんな合奏がしたいのか、どんな定期演奏会にしたいのか。仲間の思いに応えるべく、失われた時間の穴を埋めるかのように、68人全員が必死に努力を重ねました。

 ネガティブになりそうな時でも必ず誰かが光となり、自分の心を照らしてくれる。灯の代は、それが強く感じられる代です。私自身も真正面から思いを伝えてくれる生徒の思いやりある言葉と音楽に何度も救われました。共に過ごせた時間は短いかもしれませんが、一緒に過ごせた時間は何にも変え難い濃密で愛おしい時間です。

 今宵も生徒たちの熱いパフォーマンスで心温まる時間となるに違いありません。本日はいつも我々を近くで応援してくださっている皆様だけをお招きした演奏会です。この辛い1年間を支えてくださった皆様と、愛する仲間と共に最高の感動体験を味わえますように。

灯は消えない

統括部長  横山 憩   音楽部長  村山 夏緒

統括副部長 石原 歩希  音楽副部長 相原 百合愛

 本日は、第17回東洋高等学校定期演奏会にご来場いただきありがとうございます。私たち灯の代は、尋常ではない情勢の中始まりました。不安は募るばかりでしたが、東洋フィルムコンテストや野球応援の動画制作などの一つ一つの作品に向けて練習に励みました。吹奏楽の灯は消すまいと、私たちのサウンドは日々成長しています。

 それでも続く大会や演奏会の中止の知らせに悔しさや不甲斐なさを味わい、「せめて新人戦は」「せめてウィンターコンサートは」「せめて、せめて……」を繰り返しました。ようやく叶ったお客様をお迎えしての演奏会は、今日が最初で最後です。待ち望んだこの日を、無事に迎えることができ、本当に嬉しく思います。

短時間のプログラムではありますが、そこには、灯の代に関わってくださった皆様に感謝の気持ちを伝えたい、灯が歩んだ道のりを共有したい、そんな想いを込めました。目の前にお客様がいることの有り難みを胸に、演奏させていただきます。

私たちを支えてくださった学校関係者の皆様、OB・OGの皆様、家族、友人、そして何より灯の代の仲間たち、今日まで本当にありがとうございました。

灯の代の集大成を、どうか最後までお見逃しなく。